金沢城下町の歴史を感じられる、風情ある寺院群と町家が残るエリアです。
金沢市寺町台伝統的建造物群保存地区は、金沢城下町の歴史を今に伝える、貴重な文化遺産です。このエリアは、江戸時代後期から明治期にかけて、寺院や町家などが集まり、近世の寺町の街並みを色濃く残しています。保存地区内には、52もの寺院が立ち並び、それぞれの寺院には個性的な建築様式や歴史が息づいています。例えば、金沢城の鬼門除けとして建立された「妙立寺」は、その独特の建築様式と、かつて忍者屋敷であったという伝説から、忍者寺として知られています。また、前田家の墓所のある「野田山」へ向かう旧野田道沿いは、寺院の土塀が道沿いに連なり、寺町としての特徴的な景観を形成しています。一方、犀川大橋から旧野田道と交差する旧鶴来道沿いには、寺社門前地に形成された町家が通りに面して連なり、当時の賑わいをしのばせます。これらの建造物だけでなく、街路樹や石垣など、自然と調和した景観も魅力です。金沢市寺町台伝統的建造物群保存地区は、歴史と文化、そして自然が調和した、心落ち着く空間です。