江戸時代の面影を色濃く残す蔵の町で、歴史と文化を感じながら散策を楽しめます。
千曲市稲荷山伝統的建造物群保存地区は、長野県千曲市稲荷山にある、江戸時代に善光寺街道最大の宿場町として栄えた場所です。 戦国末期の城跡であったこの地は、江戸時代には「善光寺街道」の最大の宿場町として発展し、呉服問屋を中心とした商取引で賑わいました。 「善光寺道名所図会」によると、「一ヶ月に九回の市(九斎市ー3,6,9,13,16,19,23,26,29日)が立ち、商人多く、家数も五百軒ある繁盛の地」と記されているほどです。 また、北国西街道(善光寺西街道)と谷街道(千曲川東岸を通って飯山に至る。現「しなの浪漫街道」)の分岐点でもあり、現在稲荷山郵便局前に、しなの浪漫街道の起点を示す標識があります。 1847年の善光寺大地震で市街地がほぼ全焼する大被害を受けた後も、復興を遂げ、明治期には長野県随一の商都として栄えました。 しかし、その後はJRの稲荷山駅が離れた場所に作られたことや昭和恐慌の影響で衰退し、商業地としては完全に没落しました。 しかし、そのおかげで現在も往時の面影が色濃く残っており、特に1847年の善光寺大地震後に建てられた土蔵群は、当時の繁栄を物語る貴重な建造物として、多くの観光客を魅了しています。 街の中央部を通り抜ける街道が途中で折れ曲がる「鍵の手」や水路などの近世以来の地割も残り、当時の暮らしを想像することができます。 近年は「蔵の町」として街づくりが進められており、歴史的な街並みを活かしたイベントや体験プログラムなども開催されています。 ぜひ、歴史と文化を感じながら、ゆったりと散策を楽しんでください。 【周辺のおすすめスポット】 * 武水別神社(徒歩20分) * 長谷寺(徒歩20分) * 埴科古墳群(車で10分) * 雨宮の渡し(車で15分) * 姨捨山(車で20分)