多久聖廟は、佐賀県多久市にある孔子廟。1708年(宝永5年)に建立され、国の重要文化財に指定されています。
多久聖廟は、佐賀県多久市にある孔子廟で、1708年(宝永5年)に肥前多久邑主の多久茂文によって建立されました。多久茂文は、領民に「敬」の心を培わせるために、学問所(後の東原庠舎)を建設し、その講堂に孔子像を安置しました。これが多久聖廟の始まりです。その後、1708年(宝永5年)に椎原山の麓に拝殿が完成し、恭安殿とよばれ、現在の聖廟にあたります。 多久聖廟は、禅宗様仏堂形式と呼ばれる我が国の代表的な建築様式で建てられています。しかし、彫刻や文様には中国的な雰囲気も感じられ、東西文化が融合した独特の建築美を見せています。 1907年(明治40年)には、改修工事により瓦葺きから銅板葺きになり、現在の姿になりました。また、1921年(大正10年)には、敷地を含め国の史跡に指定され、1933年(昭和8年)には当時の国宝保存法に基づき国宝(いわゆる旧国宝)に指定されました。さらに、1950年(昭和25年)には、文化財保護法施行に伴い国の重要文化財となりました。 多久聖廟は、歴史と文化に触れられる貴重な場所です。静寂に包まれた境内は、時の流れを感じさせ、心を落ち着かせることができます。また、敷地内には庭園もあり、四季折々の美しい風景を楽しむこともできます。多久聖廟を訪れ、歴史と文化に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。