三尾神社は、園城寺(三井寺)の鎮守社として、古くから人々に親しまれてきた神社です。ウサギの石造や彫刻が数多くあり、可愛らしい姿を見ることができます。
三尾神社は、滋賀県大津市園城寺町にある神社で、園城寺(三井寺)南院の鎮守社です。古くから三尾社、上三尾社とも呼ばれていました。 創建の由来は、伊弉諾尊が長等山の山頂に腰に赤・白・黒の三つの帯を巻いた姿で降臨したという伝説に遡ります。その三つの帯が尾のように見えたことから「三尾明神」と呼ばれるようになったといわれています。 その後、その帯が赤尾神・白尾神・黒尾神となり、赤尾神は本神として卯の年、卯の月、卯の日、卯の刻、卯の方より長等山の琴尾谷(琴緒谷)に現れます。さらに白尾神は大宝年間(701-704)の夏に現在の三尾神社の地に現れ、黒尾神は神護景雲3年(769)3月第2の卯の日、鹿関に出現したと言われています。 三尾明神は貞観元年(859)卯の年、園城寺初代長吏に就任した円珍によって、赤尾神が現れた現在の園城寺境内の西方・琴尾谷(琴緒谷)に園城寺の鎮守として祀る事となり、社殿が建立されました。 明治に入り、神仏分離が行われると三尾社は明治9年(1876)5月12日、社地を園城寺の境内から白尾神ゆかりの御旅所である現在地に移し、新たに三尾神社として独立しました。 境内には、応永33年(1426年)に室町幕府の前将軍足利義持によって再建された本殿(重要文化財)があります。また、三尾明神の使いとされるウサギの石造や彫刻が数多くあり、可愛らしい姿を見ることができます。静かで落ち着いた雰囲気の境内は、都会の喧騒を離れて、ゆったりと過ごしたい方におすすめです。