天皇神社は、鎌倉時代に建てられた重要文化財の本殿を持つ、歴史ある神社です。全国的にも珍しい切妻造の建築様式で、静寂の中に凛とした風格が漂います。
天皇神社は、滋賀県大津市和邇中にある神社で、古来よりこの地に鎮座する歴史ある神社です。延喜式内社・名神大社小野神社二座のうちの一座に数えられ、御祭神はスサノオノミコト。創祀は不詳ですが、平安期村上帝の御世康保三年(966)に八坂神社の牛頭天王を奉還し、「和邇牛頭天皇社」と名乗ったのが始まりとされています。 本殿は鎌倉期正中元年(1324)建築で、切妻造の母屋前面に庇を付ける造りは全国的に類例極めて少なく、当社近傍鎮座の小野神社、小野道風神社の三例のみの極めて珍しい建築様式で、明治四十年、国重要文化財に指定されました。 境内には、樹下神社、三宮神社、若宮神社などの社殿が建てられており、江戸時代に和邇荘を形成していた村々の産土神を祀っています。 また、天皇神社では毎年5月第2日曜日に「和邇祭り」が開催されます。和邇中を中心に、南浜・中浜・北浜・今宿・高城の各地区出身の神役によって行われる祭りで、地域の伝統文化を今に伝えています。 天皇神社は、静寂の中に凛とした風格が漂う、歴史と伝統を感じられる神社です。ぜひ、足を運んでみて下さい。