日本海の強風から家屋を守るため、集落全体を高さ4~5mの竹製の垣根「間垣」で囲い込んだ景観は、まさに圧巻!
大沢・上大沢の間垣集落景観は、石川県輪島市にある、日本海に面した集落の景観。集落は山地と海に挟まれた低地を利用し、後背の傾斜地に棚田や段畑を配し、日本海に開口する湾内には港や船だまりを構えている。住民が厳しい自然環境に適応していく中で、里山・里海の資源を最大限有効に利用しながら長い時間をかけて固有の集落景観が作り出されてきた。 最も特徴的なのは、日本海特有の強い季節風から家屋を守るためにニガタケ等で「間垣」という高さ4~5mの垣根を作り、集落を囲い込んだ景観である。間垣で囲い込まれることによって住民の連帯感が高められており、切妻屋根・黒瓦葺・アテ下見板張り外壁でほぼ統一された民家の外観にも反映されている。能登半島外浦地域での生活様式を理解する上で欠くことのできない集落景観であり、かつては多くの集落に見られたが、現在も良い状態で残っているのは当該地域のみとなっており、重要である。 大沢・上大沢の間垣集落景観は、歴史と自然が調和した、静かで美しい集落。風光明媚な能登半島をドライブしながら、歴史と文化に触れることができる観光スポットとして、多くの人々に愛されている。ぜひ訪れて、その魅力を体感してみてください。