明治期の七宝焼の巨匠、並河靖之の邸宅兼工房を公開している記念館。繊細で美しい七宝の作品はもちろん、国の登録有形文化財に指定されている建物と、小川治兵衛が手掛けた庭園も見どころ。
並河靖之七宝記念館は、明治期から大正期に活躍した七宝焼の大家、並河靖之の自宅兼工房を公開している記念館です。並河靖之は、その卓越した技術と芸術性で、七宝焼の世界に新たな地平を切り開いた人物として知られています。彼が生み出した作品は、繊細で優美な美しさで、観る者を魅了します。記念館では、並河靖之の作品だけでなく、彼が七宝焼製作に情熱を注いだ工房や、庭園も公開されています。工房は、国の登録有形文化財に指定されており、当時の面影を残す美しい京町家の造りを見学できます。また、庭園は、七代目小川治兵衛(植治)が手掛けたもので、池を中心とした回遊式庭園となっています。疏水から引かれた水が池に流れ込み、鯉が泳ぐ姿は、まさに「水と緑の調和」を感じさせてくれます。並河靖之の芸術に触れ、日本の伝統工芸の魅力を深く味わえる、そんな場所です。