琉球王朝の華麗な別邸で、静寂と美しさを堪能
識名園は、沖縄県那覇市にある琉球王国の歴史を感じられる庭園です。 1799年に、琉球王国の第2代尚温王の別邸として造られました。 識名園は、池を中心とした廻遊式庭園で、 「心」の字をくずした形をしていることから「心字池」と呼ばれ、 池に浮かぶ島には中国風あずまやの六角堂、大小のアーチが配され、 琉球石灰岩を積み上げた石垣など、琉球独特の工夫が随所に凝らされています。 また、園内には、伝統的な琉球建築様式の御殿、 「鳳凰の間」や「龍虎の間」など、華麗な内装の部屋が複数あり、当時の王族の生活を垣間見ることができます。 かつては、春は池の東の梅林に花が咲いてその香りが漂い、夏には中島や泉のほとりの藤、秋には池のほとりの桔梗が美しい花を咲かせ、 「常夏」の沖縄にあって、四季の移ろいも楽しめるよう、巧みな配慮がなされていました。 識名園は、1945年の沖縄戦で破壊されましたが、 その後、復元整備され、2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして世界文化遺産に登録されました。 現在では、国の特別名勝にも指定されており、 静かで美しい風景と、歴史を感じられる貴重な場所として、多くの観光客が訪れています。