熊野灘に向かって吠える雄叫びを上げる獅子巌!その迫力ある姿は、まさに自然が生み出した芸術作品です。
獅子巌は、三重県熊野市井戸町にある、世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の構成資産の一つであり、国の天然記念物及び名勝にも指定されている奇岩です。高さ約25m、周囲約210mの雄大な姿は、まさに自然が生み出した芸術作品と言えるでしょう。熊野灘に向かって吠える獅子の形をした岩は、古くから人々に畏敬の念を抱かせ、南側に位置する神仙洞の吽(うん)の岩(雌岩)に対して阿(あ)の岩(雄岩)と呼ばれ、井戸川上流に位置する大馬神社の狛犬として敬愛されてきました。そのため、大馬神社には今も狛犬が設置されていません。 獅子巌は、地盤の隆起と海蝕現象によって形成されたもので、その歴史は古く、長い年月をかけて現在の姿になったと考えられています。周辺には、同じく世界遺産に登録されている「鬼ヶ城」や「花窟神社」など、歴史と自然が織りなす魅力的なスポットが数多く存在します。 毎年8月17日に開催される「熊野大花火大会」では、獅子巌は多くのカメラマンが集まる絶好の撮影スポットとなっています。花火が打ち上がる夜空に、獅子巌が浮かび上がる幻想的な光景は、まさに圧巻。 獅子巌は、歴史と自然が織りなす魅力的なスポットです。雄大な自然と、そこに息づく歴史を感じながら、心に残る旅をしてみてはいかがでしょうか。