源氏ゆかりの古刹、満願寺は歴史ロマンあふれる寺院。重要文化財の九重石塔や坂田金時の墓など、見どころ満載!
満願寺は、兵庫県川西市満願寺町にある高野山真言宗の寺院です。寺伝によれば、奈良時代に聖武天皇の勅願によって勝道上人が日本全国に「満願寺」を創建することとなり、当寺はそのうちの摂津国満願寺であるとされています。山号である神秀山は、スサノオノミコトが高天原から出雲国に追放された際に最初に地上に降り立った山であることから名付けられたとされています。 平安時代中期には多田院を創建した源満仲が帰依し、以来源氏一門の祈願所として栄え、やがて多田三山の一院となりました。鎌倉時代の正中2年(1325年)には後醍醐天皇によって勅願寺となり、室町時代に入ってからは源氏一門である足利将軍家の祈願所となって、最盛期には四十九の子院が存在していました。しかし、戦国時代になると兵火にあって衰微しています。 江戸時代には二十近くの子院がありましたが次第に衰微していき、明治時代に入ると現在本坊となっている円覚院しか子院は残らなかったそうです。 境内には、国の重要文化財である九重石塔をはじめ、源頼光の家来である坂田金時の墓や、源満仲の妻の墓など、歴史を感じさせる史跡が数多く残されています。静寂に包まれた境内を散策し、古の物語に思いを馳せてみませんか?