400年以上前に建てられた歴史ある書院を、当時のままの姿で見学できます。
旧小笠原家書院は、長野県飯田市伊豆木にある江戸時代初期の武家書院。国の重要文化財に指定されています。書院は、3分の1が崖上に突き出ている懸造りが特徴です。東南西の三方に一間巾の入側縁を廻らせ、南一の間と二の間境にある大菱欄間を設けた建築様式は桃山時代の典型的形式。江戸初期の武家書院は二条城の二の丸御殿と旧小笠原書院だけ。1952年(昭和27)3月、国の重要文化財に指定される。書院に隣接して1999年(平成11)10月に小笠原家にゆかりのある建築家妹島和代氏が西沢立衛氏と設立したSANAA(サナ)の設計した小笠原資料館が開館。小笠原家ゆかりの武具・日用品・小笠原流の秘伝書などが展示されている。 伊豆木陣屋は中世伊豆木氏の居城であった伊豆木城の南麓に築かれている。現在は旧小笠原家書院として資料館とともに展示されている。現存する書院は元和3年(1617年)に建立されたものと伝えられてきたが、解体修理によって寛永元年(1624年)の墨書が見つかり、この頃に建立されたものと確認された。懸造の珍しい書院は、明治維新の後に書院と御用所の玄関をくっつけたもので、その他の建物は移築現存する太鼓門を除いて現存していない。「小笠原屋敷古図」によれば、南の大手に太鼓門、その西側に物見の平櫓があり、内桝形になっていた。 案内:県道491号線沿いに専用の駐車場がある。