重厚な木組みに支えられた廊下が続き、明かり障子から差し込む柔らかな光につつまれた空間で、東洋美術を鑑賞できる美術館です。
大和文華館は、近鉄グループが運営する美術館で、東洋美術、特に書画、陶磁器、漆工、金工などを中心に所蔵しています。館内は、桃山時代の建築をイメージした吉田五十八設計によるもので、重厚な木組みに支えられた廊下が続き、明かり障子から差し込む柔らかな光につつまれており、ゆったりと展示場へいざないます。展示場の中央には坪庭風の中庭が設けられ、竹が植えられています。この「竹の庭」は美術品をより自然な環境で鑑賞していただくための工夫です。テラスごしには高円山の秀景も望むことができ、小鳥のさえずりや梢をわたる風の音が聞こえてきます。 美術を鑑賞するのに疲れたら、竹のすがすがしい緑や、文華苑の四季折々の草花に眼を休め、新鮮な空気を吸い、また展示場でゆっくりと作品に向き合う…。そんな楽しみ方ができるのが、大和文華館の特徴です。大和文華館では他の美術館では出会えない、自然の色や音と調和した、東洋美術の新たな表情に出会うことができるでしょう。また、敷地内には、辰野金吾によって設計された奈良ホテル・ラウンジの一部(明治42年[1909]建築)も移築され、文華ホールと名付けられました。