歴史ある神社で、素盞嗚命を祀る「回り明神」の風習が残っている。毎年夏には、迫力満点の「太鼓踊り」が開催される。
夜支布山口神社は、奈良県奈良市の大柳生町にある神社です。小高い丘の上に建ち、古くからこの地の氏神として崇敬されてきました。素盞嗚命を祀る神社として知られていますが、この神社には「回り明神」という独特な風習が残っています。これは、一年交代で氏子の年長者の家に神の分霊を迎えるというもので、氏子の方々の強い信仰心の表れといえるでしょう。 夜支布山口神社の最大の見どころは、毎年8月15日に近い土曜の夜に行われる「太鼓踊り」です。この太鼓踊りは、奈良県指定無形民俗文化財に指定されており、地域の伝統文化を今に伝える貴重な行事です。竹にヒノキの削ったものを束ね、上に花飾りを付けた「シナイ」を背中につけた踊り手たちが、羯鼓と呼ばれる太鼓を胸に下げて打ち鳴らしながら踊ります。勇壮な太鼓の音と、踊り手の力強い動きは、訪れた人々の心を熱くさせること間違いなしです。 夜支布山口神社の境内には、春日大社の第四殿を移築した「立磐神社」の社殿も鎮座しています。立磐神社は、夜支布山口神社の摂社で、本殿は重要文化財に指定されています。春日大社の風格を受け継ぐ、美しい社殿は、歴史の重みを感じさせてくれます。 夜支布山口神社は、静かな山里に佇む、歴史と伝統を感じる神社です。都会の喧騒を離れて、ゆっくりと時間を過ごしたい方におすすめです。素盞嗚命の力強い御神徳と、地域の人々の信仰心に触れることができる、貴重な体験ができるでしょう。