岐阜県唯一の国宝建造物を持つ安国寺は、高山を訪れるなら外せない観光スポット。
安国寺は、岐阜県高山市にある臨済宗妙心寺派の寺院です。山号は太平山、本尊は釈迦牟尼仏です。安国寺は、足利尊氏・直義が日本各地に建立した安国寺の1つで、当寺は貞和3年(1347年)、瑞巌和尚によって創建されました。 最盛期には七堂伽藍と9の塔頭を有する大刹でしたが、戦国時代、高山に拠点を持つ上杉派の三木氏と、国分寺に拠点を持つ武田派の広瀬氏との抗争に巻き込まれ、天正年間(1532年~1555年)と永禄年間(1558年~1570年)の二度に渡って兵火を被り、経蔵、開山堂、および鎮守社の熊野神社以外の堂宇が焼失。現在見られる本堂は江戸時代初期の寛永元年(1624年)、飛騨高山藩第三代藩主の金森重頼により再建されたものです。 安国寺の経蔵は、応永15年(1408年)の建築で、国宝に指定されています。入母屋造、杮葺で、禅宗様建築の特徴である簡素な意匠と、飛騨の伝統的な木造建築様式が見事に融合しています。経蔵の内部には輪蔵(回転式の経蔵)があり、制作年代の明らかな輪蔵として日本最古であり貴重です。安国寺は、歴史と文化を感じられるだけでなく、心落ち着く静寂な空間でもあります。高山を訪れた際には、ぜひ安国寺を訪れて、貴重な国宝建築と静寂な空間を体感してみて下さい。