秋田の文化と芸術に触れる、雄大な自然に囲まれた美術館。秋田蘭画や近代絵画、彫刻など、多彩な作品を鑑賞できます。
秋田県立近代美術館は、秋田県横手市の「秋田ふるさと村」内にある、豊かな自然と文化に囲まれた美術館です。1994年に開館し、秋田蘭画や近代絵画、彫刻、書、工芸作品など、秋田県にゆかりのある作家の作品を展示しています。 秋田蘭画は、江戸時代中期に秋田藩で発展した、西洋の画法を取り入れながらも、日本の美意識を融合させた独自の芸術です。当館では、秋田蘭画を代表する巨匠、小田野直武や佐竹義躬の作品を数多く所蔵しており、その精緻で美しい筆致と、写実性と写意性を兼ね備えた表現技法を堪能することができます。 近代絵画では、秋田出身の画家、福田豊四郎や平福穂庵、寺崎広業などの作品を展示しています。福田豊四郎は、秋田の風景や民俗を描いた作品で知られ、特に「五月山湯」や「雪国」は、秋田の雄大な自然と人々の暮らしを生き生きと表現した傑作です。平福穂庵は、琳派を継承しながら独自の画風を確立した画家で、「乳虎」など、写実性と装飾性を兼ね備えた作品で人気です。寺崎広業は、風景画を得意とし、「高山清秋」や「白馬山八題」など、雄大な山岳風景を写実的に描き出した作品で知られています。 また、当館では、松井如流の書や関谷四郎の工芸作品など、様々な分野の芸術作品を展示しています。松井如流は、近代書道史に大きな影響を与えた書家で、力強い筆致と豊かな表現力で知られています。関谷四郎は、金属工芸家として活躍し、黒銅金彩花瓶など、繊細で美しい作品を残しました。 美術館周辺には、彫刻広場や彫刻の小道があり、自然の中に溶け込むように配置された彫刻作品を楽しむことができます。峯田敏郎の「記念撮影-塀-」、高田博厚の「カテドラル」、アリスティド・マイヨールの「囚われのアクション(腕のない)」、アントワーヌ・ブールデルの「風の中のベートーヴェン(寛衣を着た)」など、様々な作家の個性的な作品を鑑賞することができます。 館内には展望ルームもあり、秋田の雄大な景色を眼下に眺めることができます。晴れた日には、鳥海山や男鹿半島まで見渡すことができ、秋田の壮大な自然を体感することができます。 秋田県立近代美術館は、秋田の文化と芸術に触れることができる貴重な場所です。秋田の豊かな自然と文化を肌で感じながら、アートの世界を堪能してみてはいかがでしょうか。