金沢城の美しい石垣を借景にした、歴史と自然が調和する静寂の空間
玉泉院丸庭園は、加賀藩三代藩主前田利常によって寛永11年(1634年)に造られた、金沢城内玉泉院丸にあった庭園です。その後、歴代の藩主によって手を加えられ、廃藩まで存在していました。饗応の場として活用された兼六園に比べ、よりプライベートな庭園だったと考えられています。庭園は明治期に廃絶されていましたが、平成20年から5年かけて行われた発掘調査や各種文献を元に設計を行い、平成25年に整備工事に着手。遺構保存のため全体的に盛土をした上に、庭園を造成してあるそうです。 玉泉院丸庭園の魅力は、金沢城の美しい石垣を借景にした、その景観にあります。池泉回遊式庭園ならではの趣を味わいながら、四季折々の美しい景色を満喫できます。春には桜、夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪景色と、一年を通して変化を楽しめるのも魅力です。 庭園内には、茶室「玉泉庵」があり、抹茶とお菓子をいただきながら庭園を眺めることができます。玉泉庵は、江戸時代に露地役所(庭の整備管理に関する役所)があった場所に整備されました。室内からは、色紙短冊積石垣をはじめとした意匠性に富んだ石垣群を借景に庭園を一望することができます。週末の夜間はライトアップされた幻想的な姿を見ることができます。 金沢城と合わせて訪れることで、より歴史を感じることができます。金沢城の歴史と文化に触れ、玉泉院丸庭園の静寂の美しさに心癒される、そんな贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。