江戸時代の面影を残す、歴史情緒あふれる町並みを散策できます。
萩市平安古地区は、山口県萩市の南部に位置する、国の重要伝統的建造物群保存地区です。江戸時代初期の1608年に萩城が築城された際、多くの武士が屋敷を構え始め、城下町として発展しました。平安古地区は、萩城の三の丸を囲む外堀の南に位置し、重臣の多くは三の丸である堀内に居住しましたが、開墾が進むにつれて多くの武士が屋敷地を構えました。保存地区は橋本川沿いにあり、江戸時代の地割りをよく残し、当時の屋敷構えをうかがうことができます。現在でもそれら武家屋敷の主屋、長屋門、長屋、土蔵が、鍵曲(かいまがり)を構成する長い土塀とともに残っており、藩政期の姿をよく留めています。国の伝統的建造物群保存地区制度が始まった昭和51年、堀内伝建地区とともに、全国で最初の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。伝統的建造物に特定された建築物は11件、土塀や門は39件。地区面積は約4.0ha。 平安古地区の散策は、歴史好きはもちろん、静かで落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりと時間を過ごしたい人にもおすすめです。当時の武士の暮らしを想像しながら、それぞれの建物の歴史や特徴を感じてみてください。また、周辺には萩城跡や松下村塾など、歴史的な観光スポットも数多くありますので、合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。