戦争の爪痕が色濃く残る地下壕を歩き、歴史の重みを感じながら平和への願いを込めて。
松代象山地下壕は、長野県長野市松代町にある第二次世界大戦末期に建設された戦争遺跡です。戦時中は、本土決戦の最後の拠点として、大本営、政府各省等をこの地に移すという計画のもとに、極秘裏に進められました。昭和19年11月11日から翌年8月15日の終戦まで、わずか9カ月の間に建設されたこの地下壕は、総延長約10kmにも及びます。 この地下壕は、地質学的にも堅い岩盤地帯であるばかりでなく、海岸線からも遠く、川中島合戦の古戦場として知られている要害の地である松代に建設されました。しかし、当時の労働力は不足しており、多くの朝鮮や日本の人々が強制的に動員されたと言われています。 松代象山地下壕は、平和な世界を後世に語り継ぐ上での貴重な戦争遺跡として、平成元年から一部を公開されています。地下壕内には、当時の様子が分かる資料や写真などが展示されており、戦争の悲惨さ、平和の大切さを改めて感じることができます。 見学の際は、ヘルメットを着用するなど、安全に十分注意して見学しましょう。また、壕内での飲食、喫煙、落書き、集会等、一般見学者の迷惑になるような行為は禁止されています。ゴミは持ち帰り、自然環境保護にもご協力ください。 松代象山地下壕は、歴史を学び、平和について考えるための貴重な場所です。ぜひ、足を運んでみてください。