天海大僧正が1615年に京都・北白川の法勝寺を移転したものといわれる、由緒ある寺院です。国指定名勝の庭園や狩野派の襖絵など見どころ満載です。
滋賀院門跡は、比叡山延暦寺の本坊(総里坊)として、1615年に天海大僧正が京都・北白川の法勝寺を移転したことから始まります。天海は、江戸幕府に仕え、黒衣の宰相と呼ばれた人物で、この寺院を建立したことで、比叡山延暦寺は幕府の庇護を受けることになりました。滋賀院門跡は、江戸時代末まで天台座主となった法親王代々の居所であったことから、高い格式を誇り、多くの貴重な文化財を有しています。 境内は、穴太衆積みの石積みと白壁をめぐらせた門が特徴的で、威圧感を感じさせます。門をくぐると、広大な庭園が広がり、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。庭園は、江戸時代初期の作庭家・小堀遠州が設計したとされ、池泉鑑賞式庭園となっています。池には、島が浮かび、その島には、小さな社が建っています。庭園内には、茶室や四阿(あずまや)なども配置され、ゆっくりと散策することができます。 書院には、狩野派の襖絵が飾られています。狩野派は、江戸時代を代表する絵師集団で、その襖絵は、細密で写実的な描写が特徴です。書院の襖絵は、当時の華麗な文化を垣間見ることができる貴重なものです。 滋賀院門跡は、歴史と文化が息づく寺院です。美しい庭園や、貴重な文化財を鑑賞しながら、ゆったりと時を過ごしてみてはいかがでしょうか?