国宝の大塔や重要文化財の伽藍が立ち並ぶ、歴史と伝統を感じる寺院です。春には桜、秋には紅葉と、四季折々の美しい景色を楽しめます。
和歌山県岩出市にある根来寺は、新義真言宗の総本山寺院で、約900年の歴史を持つ。開山は、高野山で真言密教を修めた覚鑁上人。大治5年(1130)に高野山内に小伝法院を創建したのが始まりだ。根来寺は、国宝の大塔や重要文化財に指定された数々の伽藍が立ち並ぶ、見ごたえのある寺院として知られている。 中でも、高さ40m、幅15mの木造では日本最大の多宝塔である大塔は、覚鑁上人が建てた高野山大伝法院大塔を忠実に再現したもので、天文16年(1547)に完成した。豊臣秀吉による焼き討ちをも免れたという大塔は、その歴史の重みを今に伝えている。また、境内には、四季折々の美しい景色を楽しめる庭園も整備されており、春には桜、秋には紅葉と、一年を通して訪れる人の心を和ませてくれる。 根来寺は、かつては「根来衆」と呼ばれる強大な武士団を擁し、独自の文化を築いたことでも知られている。根来塗と呼ばれる漆器はその代表例だ。現在でも、その面影を偲ばせる史跡や資料が残されており、歴史ファンにとっても魅力的な場所となっている。 根来寺は、歴史と文化、そして自然が融合した、見どころ満載の寺院だ。和歌山を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてほしい。