奥殿陣屋は、江戸時代の歴史と文化を感じられる場所。美しい日本庭園や、当時の建物を見学できる。四季折々の花が咲き乱れるので、何度訪れても楽しめる。
奥殿陣屋は、徳川氏ゆかりの史跡で、かつて奥殿藩の藩庁が置かれていた場所。 大坂の陣の戦功により3千石を与えられた松平真次が、大給(豊田市)に陣屋を構えたことから奥殿松平家は始まる。 第2代乗次のとき1万6千石の大名となり、宝永4年(1707年)に奥殿に陣屋が完成したため第4代乗真が移った。 以後文久3年(1863年)に信濃国佐久郡田野口村(長野県佐久市)に龍岡城を築城して藩庁を移すまで奥殿藩の中心となった。 なお、藩庁の移転をおこなった最後の藩主松平乗謨(明治維新後に大給恒と改名)は、博愛社(日本赤十字社の前身)の設立に尽力した人物として知られる。 当時の御殿・役所・書院・学問所・厩・馬場などは、廃藩置県後に移築や取り壊しが行われ、陣屋の跡地(岡崎市奥殿町)はほぼ田畑となった。 近辺の岡崎市桑原町にある曹洞宗の寺院・龍渓院の庫裏になっていた書院が跡地に移築され、1985年(昭和60年)4月20日、「奥殿陣屋」の名でオープンした。 現在は「村積山自然公園」の一部として整備され、書院や日本庭園、食事施設、観光農園などを持つ観光施設となっている。 そのほか裏に歴代藩主の墓所や土塁も残されている。 NHKの連続テレビ小説『純情きらり』のロケも行われた。 岡崎観光きらり百選に選定されている。