風情ある白壁土蔵が建ち並ぶ、情緒あふれる町並みを散策してみませんか?
若桜町若桜地区は、鳥取県八頭郡若桜町にある、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された地域です。中世には若桜鬼ケ城の城下町として整備され、江戸時代以降は鳥取と姫路を結ぶ若桜街道と伊勢街道の宿場町、商業都市として発展しました。明治時代に3度の大火に見舞われましたが、当時の自治組織により防火対策を盛り込んだ復興が実施され、現在の町並みの礎が築かれました。 特に有名なのが、白壁土蔵が建ち並ぶ「蔵通り」と、町家の軒先が続く「カリヤ通り」です。蔵通りは、江戸時代より土蔵が多く存在する通りでしたが、明治時代の大火の後には、土蔵以外の建物を禁じられたため、現在のような土蔵が連続する通りとなりました。カリヤ通りは、明治時代の大火後の復興建築で、家屋を道路より約3m後退させて道路沿いに小川を引き、民家と小川の間に連続する幅1.2メートルの庇が設けられました。小川は用水と雪流しと鯉の飼育に使われ、この小川と民家の間の庇の下の私道を「仮屋(カリヤ)」と呼びます。これは豪雪地帯の若桜宿独特の建造物で、昭和前期まで多く現存していましたが、現在はカリヤ通りだけに見ることができます。 これらの通りを歩けば、当時の城下町・宿場町の賑わいを想像することができます。また、町中には古い建物だけでなく、歴史を感じさせる石畳の道や、水路も残されており、風情を感じることができます。ゆっくりと散策すれば、心が落ち着き、癒されること間違いなしです。ぜひ、若桜町若桜地区を訪れて、歴史と文化に触れてみてください。