出石城下町に佇む、名僧・沢庵和尚ゆかりの禅寺。 江戸初期の池泉式庭園「不識園」は、四季折々の美しい景観を楽しむことができます。
宗鏡寺は、兵庫県豊岡市出石町東條にある臨済宗大徳寺派の寺院で、山号は圓覚山です。出石城主の菩提寺として、1392年(元中9年)に山名氏清によって創建されました。開山は東福寺の大道似禅師で、寺号は氏清の法号である宗鏡寺殿に由来するとされています。 その後、長い間荒廃していましたが、1616年(元和2年)に出石城主小出吉英のすすめを受けた沢庵和尚によって再興されました。沢庵和尚は、将軍徳川家光に使えていたものの度々故郷の出石に戻り、通算30年以上を宗鏡寺で過ごしたことから、通称「沢庵寺」とも呼ばれています。 沢庵和尚は、宗鏡寺の庭園を「不識園」と名付け、池泉鑑賞式日本庭園として整備しました。この庭園は、別名「鶴亀の庭」とも呼ばれ、沢庵和尚が「無の庭」として設計したとされています。一方、隣接する願成寺庭園は「心の庭」とされ、両庭を合わせ「無心の庭」となるよう作庭されたと伝えられています。 宗鏡寺の見どころの一つに、鐘楼門があります。この鐘楼門には、沢庵和尚の夢に出てきた場所を掘ると出てきたという「夢の鐘」が設置されています。 宗鏡寺は、歴史と自然に包まれた静寂の空間で、心安らぐひとときを過ごすことができる場所です。出石城下町を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。