世界文化遺産に登録された歴史ある集落で、江戸時代の隠れキリシタンたちの暮らしを垣間見ることができます。
外海の大野集落は、長崎県長崎市にある、隠れキリシタンの歴史と文化を感じられる場所です。江戸時代に、キリスト教が禁じられた時代、迫害を逃れてきた隠れキリシタンたちが、この地に集落を築きました。 集落内には、重要文化財に指定されている大野教会堂をはじめ、隠れキリシタンたちが信仰を守り続けた証となる歴史的な建造物が数多く残っています。大野教会堂は、1877年にフランス人宣教師ド・ロ神父によって建てられたもので、集落の人々が協力して建設されました。教会堂の壁は、地元産の石材を用いた「ド・ロ壁」と呼ばれるもので、教会堂が建ち並ぶ長崎の他の教会とは異なる、独特の風格を醸し出しています。 また、大野集落には、教会と神社が隣り合うという、他の地域では見られない風景も見られます。これは、隠れキリシタンたちが、外見は神社を装いながら、内実はキリスト教寺院として機能させていたためです。大野集落は、長い年月をかけて、信仰を守り抜いてきた人々の強い意志を感じることができる場所です。 大野集落は、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつとして、2018年に世界遺産に登録されました。歴史と文化に触れ、日本の近代史を学ぶことができる貴重な場所です。