国宝2件、重要文化財13件を含む約4000点の東洋陶磁を収蔵する美術館。
大阪市立東洋陶磁美術館は、住友グループから寄贈された「安宅コレクション」を核とした、世界的に有名な東洋陶磁の美術館です。安宅コレクションは、大手総合商社の安宅産業および創業家二代目の安宅英一会長が収集したもので、高麗・朝鮮時代の朝鮮陶磁、中国陶磁を中心に、国宝2件、国の重要文化財13件を含む約4000点が収蔵されています。特に朝鮮陶磁は、数も多い上に作風も多様で、今日成し得るコレクションとしては歴史的変遷、陶芸技法による分類の上でもほぼ完全で、私的なコレクションとしては世界第一と言ってよいでしょう。一方、中国陶磁については名品主義的で質は極めて高いものの、清代陶磁が1点もないなど陶磁史的には不完全です。また、展示公開は厳選主義で行っているため、安宅コレクションは名品ばかりと思われている面もあるかもしれませんが、実際にはあまり人に見せたくない作品も混じっているそうです。 美術館では、これらの貴重なコレクションを、時代や地域別に展示しています。また、企画展では、様々なテーマで東洋陶磁の魅力を紹介しています。例えば、2023年10月19日から2024年3月30日にかけて開催された特別展「中国陶磁・至宝の競艶―上海博物館×大阪市立東洋陶磁美術館」では、上海博物館所蔵の中国陶磁の名品が展示され、大きな話題となりました。 大阪市立東洋陶磁美術館は、東洋陶磁の世界を深く知ることができるだけでなく、芸術に触れることで感性を豊かにし、心を癒すことができる場所です。ぜひ、一度足を運んでみてください。